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強い射手になるための食事



強い射手になるための食事 2/5
第2回 知っておきたい5大栄養素


管理栄養士  深川 史麻
(明治製菓 ザバス スポーツ&ニュートリション・ラボ、選手強化委員)


皆さん、こんにちは。前回は栄養が大切だという話をしましたが、今回は栄養について、もう少し詳しく説明したいと思います。栄養は、大きく分類すると糖質、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンの5つに分けられます。これを5大栄養素とよびます。この5大栄養素は"エネルギー源"になったり、"体の材料"になったり、"コンディションを整えるもの"にな`たりします。(図1)



1. 糖質


糖質は、炭水化物の中で人間が消化・吸収できるものをさします。運動時のエネルギーとして、主に使われるのが、この「糖質」です。糖質は、砂糖はハチミツなどの甘いものだけでなく、ご飯やもち、うどん、パン、スパゲッティなどにも豊富に含まれています。もちろん、とりすぎてしまうと太る原因となりますが、完全カットしてしまってはいけない栄養素なのです。


実は、「脳」が"記憶"したり、"判断"したり、体を動かすために筋肉を動かす"命令"をだしたしています。この作業を行うために、身体だけではなく、脳にもエネルギーが必要です。しかし、脳がエネルギーとして利用できるものは、炭水化物が分解されてできるぶどう糖のみなのです。減量するためにご飯やパンといった主食の量を減らしすぎると、身体も脳もエネルギー不足になるので、練習や試合に取り組むとき、「集中力」や「やる気」が出にくくなってしまいます。このような状態では、試合に勝てないばかりか、集中できずにケガをしてしまいかねません。もし、減量が必要な場合でも、やみくもに減らしてしまわずに、上手にとって欲しい成分です。


2. 脂質


減量の大敵のようにいわれてしまう成分なのですが、実は、体にとって、なくてはならない物質なのです。脂質は、持久的なトレーニングのエネルギー源となるほか、細胞一つ一つの膜の材料ともなりますし、いくつかのホルモンの材料にもなります。とは言っても、とりすぎればlgあたり9キロカロリーの高エネルギー成分です。どのような栄養素も、消化する際には、胃腸に血液が集まり、集中力が下がる要因となりますが、特に脂質は消化に時間がかかるので、練習前や試合前には、とり過ぎないように、気を付けたいものですね。


バターや植物油だけでなく、肉や魚の脂身、天ぷら・フライなどの揚げ物、ドレッシングやマヨネーズにも多く含まれていますし、洋食が多くなると、すぐに取り過ぎになってしまいます。材料や調理方法にも注意しましょう。


3. たんばく質


より強い射手を目指すなら、最も注目すべき栄養素でしょう。たんぱく質が、筋肉となり、また、内臓や骨格の材料となって身体を造りあげるのですから。たんぱく質を多く含む肉や魚、卵、豆腐・納豆などの大豆製品は毎日しっかり組み合わせたいものです。


ただし、肉や魚は料理のときに油を使う場合が多いので、たんぱく質たっぷりの食事を目指したために、脂質までたっぷりと、とってしまうことにもなりやすいのです。そんな時は、プロテインのような栄養補助食品を上手に使うことも一つの方法です。また、1度にまとめてたくさん食べても吸収しきれませんから、3度の食事に分けてとることも大切です。


4. ミネラル


ミネラルという言葉は聞きなれないかもしれませんが、これもヒトが生きていく上で必要な栄養素です。カルシウムや鉄分、カリウムなどの微量栄養素をさします。

特に、カルシウムと鉄分は不足しやすい成分の代表選手です。食事できちんととるためには、ふだんからの努力が必要です。


(1) カルウシム

カルシウムは骨の材料になるばかりでなく、筋肉の収縮や神経の伝達にも使われます。また、カルシウムが不足すると、ケイレンを起こしたり、ひどい場合には疲労骨折を起こすことさえあります。強じんな体造りには欠かせないカルシウムを補給するためには、何といっても牛乳です。牛乳には、豊富にカルシウムが含まれている上、大変吸収が良いのです。これは、乳糖やCPP(カゼイン・ホスフォ・ペプチド)が入っているおかげ。牛乳が苦手なら、ヨーグルトやチーズなどを必ずとって下さい。乳製品をまったく受付けない人は、サプリメントを上手に取り入れて必ず補うようにしましょう。


(2) 鉄

鉄分は不足すると貧血を起こすことが知られていますが、貧血にならないまでも、スタミナがなくなったり、疲れやすいといった症状がでてしいます。鉄分は、カルシウムよりさらに吸収しにくい成分なので、きちんととれるよう頑張りましょう。多く含んでいるものは、レバー。これは、吸収率もよくビタミンも豊富に含んでいるのでお勧めです。ただし、くせのある食品ですから、嫌いだったり、頻繁には食べにくい物でしょう。そんな時にはほうれん草や小松菜といった緑黄色野菜をとるようにしたり、ひじきや貝類を積極的にメニューに組み入れると良いでしょう。


5. ビタミン


ビタミンと呼ばれるものは、現在13種類、ビタミンのような働きをするものを含めると、20種類近くにもなります。そのなかでもとくに、水溶性である、Bl、B2、Cは不足しやすいので要注意です。


ビタミンについて考えるとき、水溶性と呼ばれているものに注目してください。ビタミンB群はエネルギーを作り出すときに使われます。不足してしまうと、エネルギーを上手につくれないため、元気が出なかったり疲れやすくなります。また、ビタミンCはカゼやケガの予防にもなるので、たっぷりとりましょう。ビタミンCを多く含むものは、何といってもオレンジ、みかん、グレープフルーッといったかんきつ類やいちご、キウイフルーツなどの果物です。毎食食べるか、100%の果汁ジュースで補いましょう。


それでは5大栄養素をそろえるためには、どうしたら良いのでしょうか。


何も、難しいことはありません。食事に表1の5つがそろうようにすれば良いのです。


この食事方法を「栄養フルコース」と呼んでいます。栄養フルコースになるように、上記のアイテムをそろえれば、必要な栄養素がきちんととれますので、ぜひ試してみてください。


追い込んだ練習ができ、100%の力をだせるかどうかの鍵は、食事が握っているのです。ぜひ、食事の組み立てかたを再チェックしてください。